REPORT

シネマで考えるSDGs Vol.3
『おクジラさま~ふたつの正義の物語~』
~開催レポート~


Cinemaで考えるSDGs第3回目上映作品は『おクジラさま~ふたつの正義の物語~』です。
2019年6月30日IWC(国際捕鯨委員会)を脱退する日本は、7月より商業捕鯨を再開する見込みです。ユナイテッドピープルが運営するcinemoは7月、8月と世界一斉上映キャンペーンを実施するそうです。Tieは、それに先駆けて本作品を上映しました。
今回は7名の方にご来場いただき、上映後は各グループでディスカッションを行いました。

SDGs 2つのカテゴリー

今回の上映作品『おクジラさま~ふたつの正義の物語~』は、SDGs 2つのカテゴリーと紐づいています。

12.つくる責任 つかう責任

14.海の豊かさを守ろう

 

『おクジラさま~ふたつの正義の物語~』鑑賞

【概要】
2010年9月、過激な抗議活動で知られるシーシェパードのメンバーが、黒いドクロマーク付きのTシャツを来て太地町にやってきた。彼らは、メディアをうまく使って世界で最も成功している環境NGOの一つ。南氷洋で日本の調査捕鯨船に体当たりしては新聞やテレビを賑わせ、彼らの「英雄行為」に対して数億円単位で寄付金が集まる。

太地町では12隻の船でイルカや小型クジラを湾に追い込み捕獲する。活動家はその様子をビデオや写真におさめ、ネットで配信。すると非難のメッセージが町役場や漁業協同組合に殺到し、欧米の活動家が抗議に駆けつける。国内外の報道陣が集まり、地元の政治団体が街宣車のスピーカーから片言の英語で活動家たちに脅しをかける。この状況を打開できないかと、太地町代表者と外国人活動家の対話集会が町の公民館で開かれるも、お互いの意見は決して交わらないことを確認するだけだった。

2014年秋、太地町の状況はさらに悪化していた。追い込み漁の季節になると、大勢の活動家が大型バスで乗り付ける。地元では警察、海上保安庁、時には機動隊まで出動して警戒体制が敷かれる。今や TAIJIの名は、「イルカ殺しの町」として世界の隅々まで知れ渡り、ソーシャルメディアなどを通じてネット上で罵詈雑言が拡散している。

絶望的にみえるこの状況の中で、一人のアメリカ人ジャーナリスト、ジェイ・アラバスターと出会う。彼は太地町に住み込み、公平な立場で町や人々を理解しようと奔走するが・・・

マスメディアが報じてきた二項対立 ―捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人― という単純な図式ではなく、賛否にとらわれない多種多様な意見をカメラは捉えていく。歴史・宗教・イデオロギーの違いや、自分と相容れない意見や価値観を持つ他者との共存は果たして可能なのか? 太地町で起きていることは、今まさに世界が直面しているグローバリズムとローカリズムの対立、そしてダイバーシティ(多様性)の危機と重なる。

インターネットとソーシャルメディアを通じて、一瞬にして情報が拡散す時代に、私達はどう世界と対話して行くべきなのか。

(引用:cinemoホームページより

ディスカッション

鑑賞後は、2つのグループに分かれて感想の共有をしました。

・日本人だからクジラでしたが、他国ではカンガルーなど日本人が食べない動物を食べる国もあります。その文化や伝統についてはどうなのか?と疑問に思いました。

・人間に最も近い遺伝子を持っているのは牛だそうです。その牛を私たちは食している。それに関してはどうなのか?とこれも疑問に思います。

更に、物事に対立が生じた場合、どのようにすれば解決できると思いますか?の問いかけに対しては、下記のような意見がでました。

対話によって共感することが対立を解決させるのに一番重要なことだと思います。ちなみに、対話と議論は違います。対話とは、相手と折り合いをつけること、自分がどう感じているのかをシェアすることだと思います。それに対して議論とは、例えばディベートのようなロジックで相手の意見をねじふせようとすることだと思います。

本作品では捕鯨問題により生じた対立が題材でしたが、この問題を企業に置き換えることも出来ると思います。企業には組織があり、組織は多様な価値観を持った人で成り立っています。そこで対立が生じた場合、対話をし共感することが大事なのだということが共有できたイベントになりました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

次回開催決定!
『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション真の代償~』
日程:2019年7月24日(水)17:00~19:00
場所:Open Innovation Biotope“Tie”

REPORT イベントレポート

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