「働き方改革=生き方改革だと思っています」と冒頭に語られる久保山さん。
要所でグループディスカッションを挟み、松下経営理念を交えた働き方改革についてお話していただきました。
下記、簡単にレポートいたします。
働き方改革とはどんなことをイメージしていますか?
世の中の働き方改革は、残業時間の上限規制や有給休暇の取得義務化、正規・非正規雇用の待遇差の改善などが実施されているかと思います。具体的には、時短やテレワーク、フレックスタイムなどさまざまな運用がされていますが、果たして、それが本当に皆さんの働きがいの向上につながっているのでしょうか?
日本の1人当たりの労働生産性は、OECD加盟36か国中21位と低いです。
なぜ、日本の生産性は低いのでしょうか?
本当は誰も要求していない資料作成など、相手をおもんばかって行う「余計な」業務を行っていたり、前任者から引き継いだというだけの業務を行っていたり、日本人特有の無駄な仕事が存在しているかもしれません。
ところで、日本で初めて完全週休2日制を導入した企業はどこかご存知でしょうか?
1965年松下電器が初めて本格導入したのです。
松下幸之助は「10分かかっていた電話は3分にできないか?」と効率化を求め、「一日休養、一日教養」という指針とともに、「日本の扉を開く気持ちでやる」という意気込みを示しました。
新時代を生き抜くための働き方改革のキーワードは、発想の切り替えと業務の効率化です。
最近、どんな企業不祥事が発生しましたか?
データ改ざん、偽装、パワハラなどさまざまな不祥事が多発し、テレビで経営のトップが謝っている映像を度々見かけます。なぜ企業不祥事が起こってしまうのでしょうか?
「企業は社会の公器」と松下幸之助は発言しました。あらゆる経営資源(ヒト・モノ・カネ)は、「社会からの預かりもの」であるが故に、企業は公のもの(公器)であり、これらの働きを無にしてはならないし、預かった人材を成長させる責務があるという意味です。
みなさんの会社に企業(経営)理念はありますか?それは仕事に活かされていますか?
松下幸之助は、社員が約500名になった1929年に経営理念を掲げました。会社が大きくなるにつれ、社員の求心力となるのは明確な使命感を共有することである。と、「経営理念の大切さ」について語っています。会社が何のために存在し、どういう目的、方法で経営していくのかというしっかりとした考えを持つことが重要であるということです。
自分自身の成長を感じたのはどんな時ですか?その時、上司はどんな関わり方や育て方をしていましたか?
「上司は3年にして部下を知り、部下は3日で上司を知る」という言葉があるように部下の方がよく見えていると言われています。松下幸之助は、部下の前に自分をさらけだしなさい。上司の不足部分を補うためにも、部下があると述べました。
「任せて任さず」これは松下幸之助の人の育て方です。部下の長所を見ながら、信頼し、大胆に仕事を任せてきました。しかし、任せっきりではなく適宜に報告を受け、的確な助言や指導を与えることが責任者の務めであると述べました。
ITやAIの技術が進歩するにつれても、この部分は重要な根幹だと思っています。
今までの仕事の中で、働きがいを感じたときは、どんなときでしたか?
人が育つ要件は、下記3つの方針が必要だと考えます。
1.理念、方針の徹底
2.達成感を感じられる環境づくり
3.徹底的なディスカッションができる環境づくり が必要です。
今回の内容は、古い話もありますが、時代が変わっても本質的なものは変わらない話があると思います。
これからのみなさんの働くヒントになればと思っています。
と、久保山さんより締めくくりをしていただきました。
松下経営理念実践インストラクター 久保山さんのお話は、心にささる内容ばかりだった上に、松下幸之助ご本人の音声を聞かせていただくこともでき、本当にあっという間の2時間でした。
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
そして、ご登壇いただきました久保山さん、本当にありがとうございました。
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