REPORT

わたしたちのNEXT STEPヘ向けて
~あきらめない気持ちとは~
開催レポート


日本中を感動と希望にもたらした”ラグビーW杯を日本に呼んだ男”と称される徳増 浩司さんと7人制ラグビー日本代表の主将を務めあげた築城 昌拓さんにご登壇いただき、ラグビーW杯招致活動やスポーツ人生で培った目標実現へのマインドやモチベーション管理など、企業人の皆様が前向きに未来を考えるきっかけとなるイベント開催いたしました!

ラグビーW杯招致活動で得られたこと

徳増 浩司さん

勤めていた会社を辞めて25歳の時にウェールズへ渡航した時の事です。
試合に負けてしまった時やハードなウェイトトレーニングをしている時、チームメイトに「エンジョイしてる?」と質問されました。
こんな状況の時に「エンジョイしてる?」という質問に戸惑っていましたが、彼らにとっての”エンジョイ”とは、自分の力を出し切ることなんだと気づきました。
誰かにやれと言われてやるのではなく、自分がやろうと決めたことをやり抜くことなんだということです。

帰国後、ラグビー協会へ入り2003年にW杯招致活動を決意することになります。簡単なことではありませんでした。
これまでのW杯会場は、北半球と南半球の強豪国を行き来しているという歴史がありました。
そんな状況下で日本へ持ってこようというのは、今考えるとかなり無謀なことだったと思います。
2011年の誘致では、ニュージーランドに負けるも一念発起し、2019年、遂に日本に誘致することが出来ました。その裏側には、ラグビーのグローバル化を目指す各国からの強い応援があったのです。これは本当に奇跡的なことだったんだなと思わされます。

招致活動で学んだことは、国と国よりも個と個の付き合いがとても重要だということです。
最終的に票がとれるというのは、いかに人間的な付き合いをしているかです。
招致のことだけではなく、アートや音楽など趣味を共有出来ている関係かということは、時には必要なのです。
しかし、最後は自分の情熱が伝わるか。これが一番大事なことだ思います。

子供たちのサブストーリー

やっとの想いで勝ち取ったW杯が、予測だにしなかったある子供たちのサブストーリーをうむことになりました。

《オーストラリアの中学生》
「レフェリーをやることが夢です!日本でレフェリ―をする機会をいただけませんか」というメールを3度もらいました。
その頃、私は仕事に追われていて2度のメールに返信が出来ずにいたのですが、3度目のメールをもらった時、彼の粘り強い根気に負けて、各チームへ話題を持ちかけたところ多数の依頼がきたのです。
これは、彼が自分で勝ち取ったストーリーです。日本でのレフェリー体験は、その後の彼にも大きな影響を与えることとなったと思います。

《沖縄のラグビー中学少女》
熊本の試合でフラッグベアラーに選ばれていた沖縄の少女がいました。試合当日に会場へ向かうも、なんと既に違う子に決まってしまっていたのです。
実は、お母さんの手違いが原因でした。ひどく落ち込んでいた少女をみて、スタッフがスタジオを特別に案内しました。その後、少女は「もう十分。こんなに忙しい中、スタジオの案内までしてくれたんだから。お母さん、もう帰ろう」と言いました。
それを聞いたスタッフは、このまま帰すとこの少女は今日起こったことが最悪の出来事になり、ラグビーを嫌いになってしまうのではないかと思ったのでしょう。「あなたは帰っちゃダメです!特別なことをしてもらうんだ」と言って、少女は当日の試合のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)プレゼンターを務めることになったのです。
「人のミスをフォローできる人間になりたい」少女はお母さんにそう言ったそうです。One For All の気持ちが働いた出来事です。

人生には時に、耐えられないことや辛いことが起こります。そんな変えられない事実を受け入れた時、人は強くなれる。ネクストステップへいけるんだと思います。

Q&A

お2人のセッション後、質疑応答の時間を設けました。

左:徳増 浩司さん
右:築城 昌拓さん

Q:物事がうまくいかないときや落ち込んだ時、前向きな気持ちにする為に何かされていますか?
築城:物事のほとんどがうまくいかないと思います。そんな時はとことん落ち込みます。そして、落ち込んだ分をバネにして起き上がるようにしている。落ち込んでいる時は、暴飲暴食します!(笑)
徳増:最悪の状態を覚悟しておきます。それを見込んだ上で取り組むことがひとつ。あとは、祈る!祈ることで自分の気持ちを落ち着けるようにしています。

Q:監督や主将としてご活躍されたお2人ですが、リーダーシップに必要なものは何でしょうか?
徳増:自分が例を示すということではないかと思います。ラグビーのプレーでいうと、タックルを人一倍します。口だけ言っても誰もついてきてくれないので、率先して痛いことをやるというのが大事だと思います。
築城:ラグビーでは、タックル出来ない選手もいます。それを話せる環境をつくること、そしてそれを受け入れて、周りがフォローしながらONEチームをつくるということを心がけていました。今でも私は出来ないことは出来ない、分からないことは分からないとはっきり言って、みんなと一緒に考えていくということをしています。

まとめ

最後にお2人からメッセージをいただきました。

築城:ずばり、自分の道は自分で切り開くこと!やるかやらんか!皆様も一緒に頑張りましょう!

徳増:人と人が出会う運命を大事にしています。出会ってからどう影響するのかは皆様次第ですが、私は小さな子供からも学ぼうと思っています。今日も皆様とお会いできたことが嬉しいと思っています。

皆様のいろんな場でのネクストステップを期待しています!

 

徳増さん、築城さん、本日は感動と勇気をもらえるお話、本当にありがとうございました!
参加者の皆様もありがとうございました!

君たちは何をめざすのか 《ラグビーワールドカップ2019が教えてくれたもの》

著者:徳増 浩司

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共催:福報メディアエージェンシー

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