REPORT

ビジネスキャリアの地方還元と女性活躍
~開催レポート~


東京で20年間キャリアを積まれ、2018年福岡にUターン転職をし、現在は取締役としてご活躍の株式会社ドーガン 小田 未来さんにご登壇いただきました。自身のビジネスキャリアから地方還元と女性活躍をテーマに、率直に思うことやアドバイスなどをお話いただきました。

小田さんのビジネスキャリア~これまで と 現在~

株式会社ドーガン 取締役 小田 未来さん

新卒で損保ジャパンに入社して4年間営業をしたところ、自分が本当にしたい仕事、自分に向いている仕事は何かと悶々とする日々を過ごしていました。
それから、新生銀行グループへ転職をしHRの仕事にやりがいを感じたのがビジネスキャリアが大きく変わったポイントだったと思っています。6年間バックオフィスの仕事をする中、32歳の時に子会社再編プロジェクトのメンバーに加わりました。半年間で150名のオフィス創りと引っ越し業務など、大変な時期を過ごしましたが、会社の仕組みづくりを勉強できた良い経験だったと思います。

ドーガンへのUターンを考えている時「地方のオーナー企業で働くことの不安」と「中小企業で仕事をすること」に悩みました。けれど、創業社長と近い場所で働くのは、会社の意思決定や運営を間近でみることができるチャンスであるし、必ず財産になると思って就職を決めました。
また、中小企業の良いところは、スピード感とさまざまな仕事にチャレンジできる機会が増えるということだと実感しています。

取締役を打診された時も、自信がなくかなり悩みました。背中を押してくれたのが、先輩女性の存在でした。「とにかくやった方がいい。今やっておけば失敗しても何が悪かったのか、その時に振り返ればいい。」と言ってくれたことが大きかったと思います。
また、役員になることで経営の仕組みや組織の情報を知り、最大限のパフォーマンスをあげることができるのではないかと思ったことも決め手の一つとなりました。

Q&A

Q:新生銀行時代でのオフィス改革ですが、当時は今ほど働き方改革の声が少ない中、苦労したことやモチベーションとなったことは何でしょうか?
A:苦労したことは、当時の役員が考える会社への思いや運営などをきっちりと理解し、それをオフィスにどう反映させるのかという点です。優秀なメンバーと一緒に仕事ができたというのは、それ自体がとても楽しくモチベーションになっていたと思います。

Q:福岡で女性取締役は珍しいと思いますが、名刺を差し出した時の反応はどうですか?
A:接し方が露骨に変わる方がいらっしゃるな~と思う場面が時々あります。(笑) 肩書の影響力は大きいのかなと実感しています。

Q:キャリアチェンジにおけるご家族の理解はどういったものだったでしょうか?
A:仕事をする上で、家族の理解というのはとても重要なことですよね。結婚をする際、遠方に住む主人からは「これからはダブルインカムの時代だから仕事を続けたほうがいいよ」と言ってくれたのでそのまま東京で仕事を続けました。福岡へUターンする際も、主人が背中を押してくれことが一番大きかったと思います。

女性活躍について

女性活躍については地方に限らず全国共通の課題なのかなと思います。
それを阻むものは何かを考えた時に、私が思うのは次の2点です。
・自分の能力や業績に自信がない
・女性のキャリアバリエーションの幅広さです。
女性には、専業主婦や子供を産み少しだけ仕事をするという選択、フルタイムで働くけれどバリバリ働くorそうではない働き方という様に、男性よりも選択肢が多いと思います。
周りにも影響され色々と迷いが出てきて、選択肢が多いからこそ大変そうにみえる道(=管理職など)を選ばなくてもいいんじゃないかなという考えになるのではないでしょうか。

地方で働くことについて

九州の地元企業の人材不足解消を目指すローカル発Webメディア『Qualities』

コロナの影響もあり、地方への移住や転職について考える方が増える傾向にあります。
私の場合は、食住近接で安い生活コスト、そして両親が近くにいるなど東京にいる時には分からなかった良い部分と思うことが正直たくさんあります。
仕事に関しては、東京に比べて少ないと思われている方がいらっしゃるかと思います。ドーガンが発行していますWEBメディアの『Qualities』でもご紹介していますが、面白い企業が実はたくさんあります。もし、九州で働きたいと思われている方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください。

Q&A

Q:能力や業績に自信を持たせない職場環境も女性活躍を阻む要因の一つではないでしょうか?
A:自信を持たせない職場環境というのがもし女性に限ったことなのであれば、マネージメントを変えなければいけないと思いますが、そもそも男女問わず成長意欲を促せるようなマネジメントが出来ていないという問題があるのかもしれません。

Q:小田さんのようにリミットを設けずに、いつまでも社会で活躍できるようになるために20代でしておいたほうがいいと思うことはありますか?
A:私が20代でやっていて良かったなと思うことは、自己投資を惜しまないということです。ビジネススクールに通えということではなく、社内外にいろんな知見を持っている方がたくさんいらっしゃいますので、先輩や時には外に出ていろんな方とお話をするというのもいいかなと思います。

Q:自己投資をする際、何をポイントに勉強する内容を決めていますか?
A:私も最初は凄く悩みました。私の場合は、やはりいろんな先輩方に相談をしました。勉強されている方は、様々な方法を教えてくれます。

最後にメッセージ

地方ならではのビジネスサイクルがあり、その土地の顧客と信頼関係を築いていく必要があることを考えると、もし地方で働きたいと思うのであれば、早めに決断をされたほうがいいかなと思います。
東京で培ったことが、そのまま地方で活かすことができると思われている方がいるとすれば、それは修正された方がいいかと思います。

女性活躍に関しては、私自身も最初から上に立ちたい!などとは全く思っていませんでした。しかしながら、これまで素晴らしい上司の方や優秀な同僚のみなさんと仕事をする中で、仕事の面白さがみえてきました。
ある先輩女性は「早く偉くなって部下が出来た方が仕事を任せられるんだから、よっぽどワークライフバランスが保てる。色々悩むより先に進んじゃえ!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
勿論大変な部分もありますが、一方で仕事も断然面白くなっていると思います。いかにそれを会社の中でどう伝えていくのかというところだと思います。ただ、そんなに趣向を凝らさなくても気づいたら女性管理職が出来ているという時代が、もうすぐそこまで来ていると感じています。

 

小田さん、これからのビジネスキャリアを考えるヒントが得られるお話をありがとうございました!
そして、ご参加くださいました皆様ありがとうございました!

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